暮れゆくものを想う。
これは何度目の秋か。
霜は本来の意味とは別に、比喩として白髪を表します。
静かな秋の朝、草木に霜が降りるのを見て「嗚呼、秋がまた暮れてゆくのか」とむかしの人は歳月の流れを自身に重ね合わせ、そんなたとえをしたのでしょう。
「星霜(せいそう)」ということばも、歳月を表すものです。
星は一年で天を周り、霜は毎年降るもの。
時は確実に流れ、人はそこで生を全うしようとする。
秋はいろいろと感傷にひたる季節でもあります。