Ki-No-Otonai

vol.4

春分

shunbun

2024.3.20 ― 4.3

花も
人の心も咲く

太陽が真東から昇り、真西に沈む春分。
昼と夜の長さが同じになるこの日から、
昼の方が長くなっていきます。
次第に春らしくなる陽気に、
虫や動物たちもいきいきと活動しはじめるとき。
桜の開花を待つ私たちの心も弾むときです。

讃えるもの、
慈しむものがあるしあわせ。

春分の日は彼岸の中日(ちゅうにち)で、
その前後三日間が春の彼岸です。
彼岸にご先祖様のお墓参りをするのは、
真西に陽の沈む春分が
西方にあるとされる極楽浄土に最も近く、
ご先祖様を供養する心が通じやすいからとされています。
日頃の感謝の想いを伝え、これからの健やかな暮らしを願う。
春、活動的に動きはじめる今だから、
その想いをきちんと届けて、
清々しい心で歩んでいきたいものです。

春分の日は国民の祝日です。
祝日法では
「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日としています。
冬を越えて、生命の輝きと彩りを再び見せてくれる春は、
まさに自然の美しさを讃えるとき。
その喜びにひたりながら、人は自然とともにあることを
あらためて実感するのです。
気候が変わりつつあるいま、
この国の四季の趣がいつまでも残っていてほしい、
そう願わずにはいられません。

春、日本の心に咲く夢。

桜の開花の便りが届きはじめました。
この国では平安時代から花といえば桜を指し、
その咲く時季を「花時(はなどき)」と呼んできました。
四季それぞれに咲く花は数多あり、
花はどれも散りゆくものですが、
こと桜に寄せる想いには特別なものがあります。
それは何故なのか思いを巡らせても、
あまりいい理由は見つからず。
ただ日本人だから、
としか言いようがないところで納得するのも、
この国で生まれ育った人の性分なのかもしれません。

花時には雨の日も風の日もあります。
ようやく満開という時に、
風雨に吹かれて開いたばかりの花が散ることも。
その時ほど天気をうらめしく思うことはありませんね。
そんな人の思いにも桜の樹は素知らぬ顔をして、
残った花たちを咲かせ続ける。
「夢見草」という桜の異名は、
きっとそんな儚い姿を見た人が名付けたのでしょう。

日本を、
印伝を代表する桜の模様。

桜は、散り際の美しさから戦国の武士(もののふ)の心をとらえた花。
その模様は鎧兜など武具に施され、時代をこえて受け継がれてきました。
日本の心ともいえる桜の模様を、印傳屋も古くから取り入れ、
印伝を手にする人に満開の桜を咲かせ続けています。

「小桜」模様の印伝

F小銭入04[赤地/白漆]
3,190円(税込)
F小銭入04[黒地/赤漆]
3,190円(税込)
50H小銭入[赤地/白漆]
2,640円(税込)
50H小銭入[黒地/赤漆]
2,640円(税込)
ペンケースD[赤地/白漆]
SOLD OUT
ペンケースD[黒地/赤漆]
SOLD OUT
325印鑑入[赤地/白漆]
SOLD OUT
325印鑑入[黒地/赤漆]
SOLD OUT

「小桜」模様の印伝は、形や色の組み合わせがさまざま。上記以外の商品については、印傳屋直営店へお問い合わせください。

季の訪い
季の訪い

頰を撫でるそよ風に、
ふと見た野辺の草花に、季節を知る。
あめつちの間で、ひとは千年以上も前から
季の趣を細やかにとらえ、
風物や自然の恵みを愛おしんできました。
一日一日を過ごす時の流れは、
むかしほど緩やかではない
かもしれませんが、
その感性は今も誰の心にもあるものです。

季節の移ろいと、そこに寄り添い
生きてきた
日本の暮らしと文化をなぞり、
日本人のひとつの感性として
生み出してきた印伝とともに
二十四の季をみなさまと
めぐってまいりたいと思います。