一年の幸せを願い歳神様をお祀りしたり、縁起物を飾ったり。
この国には人々の祈りで紡いできたさまざまな風習が今に伝わります。
春財布もそのひとつ。お財布が「張る」ようにと「春」に新調するのが吉とされてきました。
さあ、真っ新な印伝のお財布で、慶びの春を迎えてまいりましょう。
常緑の椿は榊と同様に霊樹とされ、その木は邪気を祓う杖に利用されました。
冬から早春の彩りとして茶人に愛され、今でも茶の湯で親しまれています。
「百花のさきがけ」と呼ばれ、奈良時代より親しまれた梅の花。
松、竹とともに「歳寒三友」と称され
その模様は吉祥のしるしとして伝わっています。
冬の厳しい寒さに耐え、雪を割るように咲く健気な姿に
人々は希望を見ました。
春の訪れの象徴を印伝の模様に。
散り際の美しさから武士の精神的な象徴とされた桜。
美しく儚きものを愛おしむ想いは
むかしも、今も、同じです。