• 蜻蛉

  とんぼ

  退かず勇猛に進み、俊敏に獲物を捕える姿から「勝虫」と呼ばれたとんぼ。武士（もののふ）たちはその勇ましさにあやかり、鎧兜や刀、陣羽織などにその模様を施しました。武家の間で受け継がれたとんぼの模様は、現代でも剣道具などに見ることができます。

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  蜻蛉

  とんぼ

  

• 小桜

  こざくら

  平安時代より花といえば桜を指し、現在も日本の国花として愛される花。美しく咲き誇るも儚く散りゆく姿は“もののあはれ” とされ、武士の精神的な象徴として武具や装束に桜の模様が取り入れられました。

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  小桜

  こざくら

  

• 青海波

  せいがいは

  波のうねりを表す半円の連続模様は古代ペルシアからシルクロードを経て飛鳥時代に伝わったとされています。凪いだ海の平穏なさまが無限に広がるこの模様に、人々は永遠に続く幸せと平安への願いを込めました。

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  青海波

  せいがいは

  

• 亀甲

  きっこう

  天の四方を司る霊獣のひとつ「玄武」に由来し、平安時代に有職文様として使用されました。近世には厄を祓い身を守るものとして武家に広まり、やがて鶴亀の長寿を表す吉祥文様として庶民にも広まりました。

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  亀甲

  きっこう

  

• 七宝

  しっぽう

  輪が四方、十方（じっぽう）に繋がるさまから、円満やご縁などを表す吉祥文様。本来、七宝とは金、銀、瑠璃（るり）、玻璃（はり）など仏教における七種の宝を指すもの。人とのご縁も七宝のように貴重であることからその呼び名になったといわれています。

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  七宝

  しっぽう

  

• 富士

  ふじ

  古より神の山として畏怖され、篤く信仰されてきた富士。崇高なその高嶺に人々は「不死」「不二」「不尽」の想いを込め、絵画や工芸に表してきました。その心は甲州で育まれた印伝にも込められています。

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  富士

  ふじ

  

• 市松

  いちまつ

  平安時代の有職文様「霰文」(あられもん)、「石畳文」がルーツ。江戸時代中期に歌舞伎役者の佐野川市松がこのシンプルな格子模様を衣装に取り入れたことから、庶民の間で粋な模様として流行しました。

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  市松

  いちまつ

  

• 瓢箪

  ひょうたん

  古来、神霊が宿るものとされ祭具に用いられた瓢箪。そのくびれは吸い込んだ邪気を逃さず、末広がりの形は縁起の良いものとされ、お守りや魔除けに用いられました。鈴なりに実る様子から家運興隆、子孫繁栄など縁起の良い模様として好まれました。

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  瓢箪

  ひょうたん

  

• 輪繋

  わつなぎ

  古くから伝わる「角繋ぎ」と「七宝繋ぎ」をアレンジした円文の連続による創作模様。輪は絶え間ない繋がりを連想させ、その連なりによって平和と円満が無限に続くようにとの願いが込められています。

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  輪繋

  わつなぎ

  

• 杉綾

  すぎあや

  杉の葉のような山の形の連続模様は古くから使用されており、西洋ではニシンの骨の形を指して「ヘリンボーン」、日本では「杉綾」と呼ばれます。杉綾の模様は、杉が日本だけのものであることから、日本の模様として印伝に取り入れています。

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  杉綾

  すぎあや

  

• 菊

  きく

  菊を浸した水「菊水」を飲むと長寿を保つという中国の故事から、菊は平安時代より不老長生の象徴。その模様は皇族に用いられ、瑞祥や富貴を表す模様として広まり、多種多様な菊模様が生み出されました。

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  菊

  きく

  

• 紗綾形

  さやがた

  吉祥・万徳の印である卍の形をくずして連ねた文様で「万字繋」（まんじつなぎ）とも。「紗綾」（さや）とよばれる絹織物の模様に用いられたことが名の由来。繁栄や長寿が不断長久に続く願いが込められています。

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  紗綾形

  さやがた

  

• 唐草

  からくさ

  伸びゆく植物を図案化した模様は世界のさまざまな古代文明に見られ、唐草模様は奈良時代に伝わり有職文様に取り入れられました。力強い生命力や繁栄の象徴として、和洋化した多彩な唐草の模様が生まれていきました。

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  唐草

  からくさ

  

• 波鱗

  なみうろこ

  古くから三角の連続模様は悪霊を退けるものとされ、「鱗文」「鋸歯文」と呼ばれていました。鎌倉時代、北条家が龍神の鱗三枚を守護神とし、その家紋が知られるようになったことで、鱗は魔除け・厄除けのしるしとして広がりました。

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  波鱗

  なみうろこ

  

• 菖蒲

  しょうぶ

  菖蒲の葉は強い香気をもち、形が刀に似ていることから邪気を祓うとされ、その音も武道を尊ぶ「尚武」「勝負」に通じることから、菖蒲の模様は平安時代より鎧兜など武具に用いられました。

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  菖蒲

  しょうぶ

  

• 鶴亀

  つるかめ

  鶴は夫婦仲がよく生涯連れ添い、亀は四神のひとつ「玄武」に通じ厄を祓い身を守る象徴。いずれも古来、慶事を代表する吉祥のしるし。印傳屋の正月恒例の「鶴亀」は、菊文の中に松竹梅を配し、日本を代表する吉祥文様を取り合わせています。

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  鶴亀

  つるかめ

  

• 毘沙門亀甲

  びしゃもんきっこう

  京の都を守護する毘沙門天像の鎖鎧に三盛亀甲の模様が施されていたのが名の由来。武門の守護神として信仰をあつめ、福や財をもたらす七福神の一神でもあることから、人々は福徳を願いその模様を取り入れました。

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  毘沙門亀甲

  びしゃもんきっこう

  

• 梅

  うめ

  梅の花は万葉集に多く詠まれ、平安時代のはじめまでは花の象徴。松・竹とともに「歳寒三友」（さいかんさんゆう）と称され、春を迎える喜びを表す吉祥の模様として用いられてきました。

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  梅

  うめ

  

• 葡萄

  ぶどう

  古代エジプトでは酒になるぶどうは人と神を結ぶものとしてその聖樹が描かれました。その後唐草と絡めた文様が広まり、日本には奈良時代に伝わります。甲州は古くからぶどう作りが盛んなことから、この地の文化として印伝の模様に取り入れています。

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  葡萄

  ぶどう

  

• 若松菱

  わかまつびし

  常緑の松は長寿の象徴とされ、「常磐木」と呼ばれた吉祥樹。松を図案化した柄は古くからさまざまな形で描かれました。芽生えた松葉を菱状にした若松菱も吉祥文様のひとつ。これを独自のバランスに配し、斜め格子にも見える独自の模様に仕上げました。

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  若松菱

  わかまつびし

  

• 雪割草

  ゆきわりそう

  冬の厳しさを耐え忍び、小さくも健気に花開くそのさまに、人々はあたたかい眼差しで見つめていました。雪を割って咲こうとする想いの強さ、希望の象徴として印傳屋が独自に取り入れた模様です。

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  雪割草

  ゆきわりそう

  

• 椿

  つばき

  椿は常緑であることから、古くから榊と同様に霊樹とされ、瑞祥・長寿の象徴として多くは松とともに描かれました。江戸時代に庭木として衆目を集めるようになり、椿文が着物に描かれるようになりました。

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  椿

  つばき

  

• 干支

  えと

  2025年は巳年。蛇は古くから信仰され、農耕文化の日本では田を守る神やその使いとして大切にされました。豊穣や金運を司る神ともいわれ、脱皮をすることから再生の象徴ともされています。

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  干支

  えと

  

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