印伝ならではの現代の縞をつくる。
さまざまな形の点と線の配列。こうした連続模様ではない不規則なパターンは印傳屋の模様の中では稀なもの。
実はこれらの点と線は、青海波や蜻蛉、瓢箪など印伝の九つの模様の一片一片を繋いだものです。
受け継がれる印伝の漆付けの技で、現代の印伝ならではの縞をつくるべく、
プロダクトデザイナー齋藤駿(Shun Saito) 氏の協力のもと、創案から一年をかけてここに実現しました。
伝統の型紙から、手づくりで再構築した現代の縞。
室町時代の頃、南蛮貿易で南の島々から伝わった筋目模様、格子模様の織物は「島物」(嶋物)と呼ばれ、
いつしか「縞」の字があてられるようになりました。その後、江戸時代に庶民は贅沢で華美な服装を禁じられますが、
それをかいくぐるように、自由にさまざまな縞が編み出され、粋を競うように愛好されました。
その型にはまらない自由な創造精神にならい、印傳屋に受け継がれる九つの模様から
ひとつひとつの断片を切り取り、印伝の型紙や漆付けに見ることのできる手仕事の跡を感じられるよう
丁寧に縞状に配列。こうして印伝の新しい縞模様は生まれました。
[デザイン協力]